職場の同僚や友人に対して、相手を思ってアドバイスしたのにも関わらず、実は「上から目線」と思われているケースが少なくありません。
アドバイスで相手に嫌な思いをさせないためには、タイミングや伝え方など、気をつけるべきポイントがいくつかあります。
今回は、アドバイスが上から目線になる原因や、相手を不快にさせないアドバイスの方法をご紹介します。
アドバイスが上から目線になる原因
職場で困っている同僚に声をかけたり、友人の恋愛相談を聞くなど、相手に何かをアドバイスする機会は誰にでもあります。
基本的には「この状況を改善してあげたい」という気持ちで助言するはずですが、無意識のうちに上から目線なアドバイスになっていることがあります。
その原因としては、主に次3つがあげられます。
- 相手に頼まれていないのにアドバイスしている
- 物事を自分基準で判断している
- 自分のことは棚に上げて相手に厳しいことを言う
それぞれについて、詳しく解説していきます。
1.相手に頼まれていないのにアドバイスしている
相手が頼んでいないのにアドバイスをしている場合、それは上から目線と思われる可能性が高いです。
相談が来るのを待たずにアドバイスすること自体は必ずしも悪くありませんが、相手がどういう状況で何に悩んでいるのかは見極めが必要です。
状況を把握しないまま「それはこうした方が良い」とアドバイスしても、自分の考えを押し付けるだけになってしまいます。
2.物事を自分基準で判断している
相手の立場や状況を気にすることなく、自分の判断基準でアドバイスするのも、上から目線に思われる原因のひとつです。
これは「自分は絶対に正しい」と考える自信過剰なタイプに多く、自己主張が強すぎることで上から目線な態度を生み出してしまいます。
自分には自分の考えがあるように、他人には他人独自の考えがあることをよく理解しましょう。
3.自分のことは棚に上げて相手に厳しいことを言う
自分のことを棚に上げる、いわゆる自分に甘く他人に厳しい人は上から目線になりがちです。
そのため、相手に何かをアドバイスするとき、自分はできていないのに見下すような発言をしてきたり、逆に自分がアドバイスを受ける時は素直に聞き入れないという特徴があります。
自分がそのようになっていないか見返し、誠実なアドバイスを心がけましょう。
当てはまる人は要注意!アドバイスの上から目線度チェック
次のようなアドバイスは、相手に「上から目線」と思われる可能性が高くなります。自分の行動で当てはまるものがある場合は、ぜひ改善していきましょう。
- 頼まれていないのに「自分はこうだったから」という理由でアドバイスしてしまう
- アドバイスする前に相手の話を聞かない
- 相手の考えや意見を否定する
- 選択肢を相手に与えることなく「それはダメ、こうしなさい」と意見を押し付ける
こうした言動は、相手よりも優位に立ちたいという気持ちの表れで、自信のなさや不安な気持ちの裏返しであるとも考えられます。
そのため、無意識に上から目線になってしまう場合が多く、自覚しにくい部分があるので注意が必要です。
どんな場面においても良いアドバイスをするのは難しいものですが、上から目線にならなければ、少なくとも相手が不快な気持ちになることはありません。
今回ご紹介した内容は、ぜひやってはいけないアドバイスとして覚えておいてください。
上から目線にならないアドバイスの方法
アドバイスは無意識に上から目線となってしまうことがあるため、注意して行うことが重要です。
ここでは、その具体的な方法について3つご紹介します。
- 相手が話したくなるまで待つ
- じっくりと話を聴いて共感する
- 意見を押し付けず、提案するイメージで話す
1.相手が話したくなるまで待つ
相手の様子を見ていてアドバイスが必要そうだと思っても、いきなり声をかけて一方的に助言するのは逆効果になりかねません。相手からアドバイスを求めてくるよう仕向けましょう。
具体的には、何気ない会話から始めて相手の様子を伺い、仕事で悩んでいるのであれば「最近帰りが遅いね、仕事量はどう?」などと状況を掘り下げていきます。
会話を進めるうちに相手から相談を受けたら、最初に「あくまでも自分の場合は」ということを前置きして、アドバイスをしてあげると良いでしょう。
2.じっくりと話を聴いて共感する
人とコミュニケーションを取るときの基本は「聞くが8割、話すが2割」です。そして話を聞くときには、相手の立場に立って共感しながら聞く「傾聴」の姿勢が大切です。
この原則はアドバイスするときも例外ではありません。相手が自分とは違う意見を持っていたとしても、それを否定しないで、最後まで共感の姿勢を貫いて話を聞きましょう。
そうすると相手は「この人は自分を受け入れてくれる」と安心し、アドバイスにも心を開いてくれるようになります。
3.意見を押し付けず、提案するイメージで話す
どんな内容の悩みであっても、最終的に決断するのはアドバイスを受けた相手側です。
相談相手に対して「こうするべき」と意見を押し付けるのではなく、選択肢のひとつを提案するイメージで言葉を選んでみてください。
例えば「こういう考えもあると思うけど、どうだろう?」「あくまで参考程度に聞いてほしい。自分ならこうする」という感じがベターです。
上から目線なアドバイスをされたときの対処法
これまでとは逆に、あなたが突然上から目線なアドバイスをされるかもしれません。
相手に悪気がない場合は、上で説明してきたことを意識してもらえばよいのですが、不快に思うことを言ってくる人もいるかもしれません。
そのようなときのため、上から目線の原因別におすすめの対処法をご紹介します。
自信のなさや不安の裏返しの場合
このタイプは、相手よりも優位に立つことで安心するので、自分の自慢話や相手を下げる発言をしながらアドバイスしてきます。
相手の発言を真に受けることはせず「この人は自分に自信や余裕がないのだな」と思って、うまく聞き流しましょう。
下手に付き合ってしまうと、ますます上から目線でアドバイスしてくる可能性があります。
自分が正しいと思い込んでいる場合
最近では、コロナ禍の影響もあり「自分は正しい」症候群の人が増えています。このように自分の判断基準が正しいと思っている相手には、否定的な態度を見せると逆効果です。
できれば距離を置くのが一番ですが、仕事の都合などで難しい場合は、相手の言葉を客観的に捉えるクセを身につけましょう。
話を聞きながら「この人はどうして上から目線のアドバイスをしてくるのか」と心の中で分析してみたり「相手はテレビの画面の中にいる人」というイメージを持ってみると客観視できるため、不快な思いをせずに済むようになります。
嫉妬心を持たれている場合
相手が目上の人の場合、自分よりも会社に評価されているなどの理由から、嫉妬心で上から目線なアドバイスをしてくる可能性があります。
その場合は、相手の感情を刺激しないよう謙虚な態度で話を聞き、アドバイスに対しては内容がどうであれ、敬意の気持ちを込めてお礼を伝えましょう。
やがて相手の嫉妬心が落ち着いて、上から目線な態度も自然と和らいでくるはずです。
アドバイスは上から目線になりやすいので注意しよう
アドバイスと上から目線は表裏一体です。善意のつもりでアドバイスしても、相手が不快な気持ちになったり「余計なお世話」と思われては逆効果になってしまいます。
相手の話をじっくりと聞く、共感する、答えを与えるのではなく提案する、というポイントを意識しながら、上から目線にならないアドバイスを目指してみてください。