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「寄り添う」は上から目線になる場合も!気を付けたい場面や言い換え例を紹介

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教育や医療福祉の現場でもよく使われる「寄り添う」という言葉。使い方次第では、相手に上から目線な印象を与える可能性があります

肯定的な意味で使われることの多い「寄り添う」ですが、どのような場合に上から目線になってしまうのでしょうか。

今回は「寄り添う」の本来の意味や、上から目線にならない言い換え例などを解説します。

目次

「寄り添う」の意味

辞書で調べると「寄り添う」には2つの意味があります。

一つ目は「もたれかかるようにそばに寄る」という意味で、人やモノ同士がぴったりとくっついている様子を表します。つまり物理的に距離が近い状態です。

二つ目は「相手に心を寄せる」という意味で、物理的な近さは問わず、気持ちが相手のそばにある様子を表します。日常的にはこちらの意味合いで使う機会が多いでしょう。

  • 私たちは、お客様に寄り添うサービスを提供します。
  • あの先生は患者の心に寄り添える優しい人だ。
  • 彼女は私の気持ちに寄り添って、親身に話を聞いてくれた。

これらの例文のように、通常「寄り添う」にはネガティブなニュアンスは含まれません。しかし相手との関係性や状況次第では、上から目線だと思われることがあります。

「寄り添う」が上から目線になりやすい場面

物理的に近い意味での「寄り添う」は、人やモノの状態をそのまま見て説明しているだけなので、上から目線に思われることはありません。

しかし、気持ちを相手のそばに寄せる意味での「寄り添う」は使い方に注意が必要です。次のような場面では上から目線に思われやすくなります。

立場の差から、意見やアドバイスの押し付けになってしまう

医師と患者、先生と生徒など、立場の差がある関係においては、寄り添うつもりで接していても、無意識のうちに意見やアドバイスを押し付けていることがあります

相手の話に共感して受け入れるのが「寄り添う」の基本なので、求めていない意見やアドバイスは、相手からすると上から目線で余計なお世話になりかねません。

まずは話を聞くことに徹しましょう。

相手の背景や気持ちを理解していない

気持ちで寄り添うためには、相手の置かれている立場や状況、抱えている不安や悩みなどについて正しく把握していなければなりません。

つまり「相手の背景や気持ちを理解する」ことが、本当の意味で寄り添うことの第一歩となります

相手への理解が不十分なままで寄り添おうとすると、自分なりに考えて行動したつもりでも、相手を困らせたり、余計に辛い気持ちにさせてしまうことがあります。

これが言葉や行動の押し付けにつながり、結果として上から目線に思われる原因となります。

「寄り添う」の言い換え例

寄り添うという言葉が上から目線にならないか不安なときは、代わりの言葉に置き換えてみましょう。

今回は、気持ちの面で寄り添うことの言い換え例を紹介します。

共感する

共感とは、他人の意見や気持ちに自分を同調させ「そのとおりだ」と感じる力を意味します。

相手が喜ぶと自分も喜び、悲しいときは一緒に悲しい気持ちになるということです。

共感を意識すると、相手と同じ目線に立って物事を考えようとするため、自然と上から目線ではなくなるというメリットもあります

気持ちを汲む

相手の気持ちを察して理解し、慮ることを「気持ちを汲む」と表現します。

寄り添うや共感とほぼ同じ意味合いで使われますが、文脈によっては「自分にも意見があったけど相手の気持ちを優先した」というニュアンスが含まれることもあるため、自分の行動に対して使うのはあまりおすすめできません

「寄り添う」が上から目線にならないために心がけたいこと

もともと日常的に使われていた「寄り添う」という言葉ですが、より使われる機会が増えたのは、東日本大震災以降と言われています。

復興を支援するさまざまな立場の人が「被災地や被災者の気持ちに『寄り添った』支援をしよう」と訴えながら活動を続けてきました。しかし次の理由から「寄り添う」という言葉がネガティブに捉えられる場面も少なくありませんでした

気持ちに寄り添うとは一方的な行為ではなく、両者が歩み寄ることで初めて成立します。相手が望んでいないのに寄り添っても、それは優しさを勝手に押し付けているだけで、上から目線で「寄り添ってあげている」という状態になってしまいます

寄り添ってもらったかどうかを決めるのは相手側です。そのため自分の行動に対して「寄り添う」という言葉を使うのは避けて、自分が寄り添われる側だったときに使うようにすれば、多くの場合、上から目線になるのを回避することができます。

「寄り添う」は使う場面をよく考えよう

結論として「寄り添う」自体には、上から目線の意味はありません。しかし使う場面によっては、上から目線だと思われる可能性があります

人やモノが物理的に寄り添うときも、気持ちに寄り添うときも、お互いが近くに寄らないと成立しないということを念頭に置いたうえで「寄り添う」という言葉を使うよう心がけましょう。

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